「うぽつ」「弾幕」「○○タグ」――
かつて、ネットの中心に“ニコニコ動画”があった時代がありました。
コメントが画面に流れるという独特の仕様の中で、
ボカロ、MAD、アニメ、歌ってみた、踊ってみた……
数多くのコンテンツが生まれ、多くのユーザーにとって日常の一部となっていたあの頃。
この記事では、
「ニコニコ動画の全盛期っていつ?」
「ニコニコ世代って何歳?」
「当時流行っていたアニメやボカロ曲って?」
といった疑問を中心に、
世代別の関わり方や、懐かしの文化用語まで丁寧に振り返っていきます。
ニコ動をリアルタイムで楽しんでいた人にも、
最近“昔のネット文化”に興味を持ち始めたZ世代にも――
あの時代のネットの空気感を、少しだけのぞいてみませんか?
ニコニコ動画“世代”とは何歳?時代ごとの主なユーザー層まとめ

ニコニコ動画は2006年にサービスを開始し、
動画にコメントが流れるという革新的なスタイルでネット文化を形作ってきました。
ただし、「ニコニコ動画を使っていた」と一口に言っても、
その関わり方は“使っていた時期”によって大きく違います。
そこで、以下の表では「サービス初期」「全盛期」「衰退〜現在」と3つの時期に分け、
それぞれの時期に“当時どの年齢層がメインで使っていたか”をまとめたものになります。
📊 ニコニコ動画の時期別ユーザー層(当時の年齢ベース)
時期 | 当時の年齢層 (生年目安) | 特徴・傾向 | 代表的な文化・キーワード |
---|---|---|---|
サービス初期 (2006〜2007年) | 20代後半〜30代 (1980年以前生まれ) | ネット黎明期からの移行組。 掲示板・Flash文化にも 親しみがあった層。 | MAD動画、 コメント職人、 2chとの親和性 |
全盛期 (2007〜2012年) | 中高生〜大学生 (1987〜1996年生まれ) | ニコニコ文化の中心世代。 視聴だけでなく投稿にも積極的。 | ボカロ、 歌ってみた、 踊ってみた、 タグ遊び |
衰退〜再評価期 (2013年〜現在) | 10代〜20代前半 (1997年以降生まれ) | YouTubeを中心に育った世代。 ニコ動を“レトロ文化”として 捉える傾向も。 | 懐古系コンテンツ、 ニコニコ大百科、 逆輸入ボカロ |
この表からわかるように、「ニコニコ動画世代」とされるのは
主に**全盛期に中高生〜大学生だった層(1987〜1996年
生まれ)**を指すケースが多いです。
ただし、
それ以外の世代にもそれぞれの関わり方や楽しみ方があり、文化の広がりは一様ではありません。
次の章では、
この「全盛期」に何が起こっていたのかを詳しく見ていきましょう。
ニコニコ動画“全盛期”っていつ?どんな時代?
ニコニコ動画の“全盛期”とは、
一般的に2007年〜2012年頃を指します。
この時期は、単にユーザー数が多かっただけでなく、
独自のネット文化が爆発的に発展した時代でした。
SNSが今ほど普及していなかった当時、
ニコニコ動画は“ネット上で何かを発信したい人たち”の受け皿となり、
数々のジャンルでカルチャーを生み出していきました。
🎥 この時代に流行していた文化・機能の例
- ボーカロイドの台頭(初音ミクなど):音楽ジャンルに革命を起こした
- 歌ってみた/踊ってみた:一般ユーザーが主役になれる投稿文化
- タグ・ランキング機能の活用:ジャンルを横断して人気が可視化される仕組み
- コメント弾幕:動画とコメントが一体化した“視聴体験”
- MMD(MikuMikuDance):3Dモーションで自由に作品が作れる環境
- 実況プレイ動画:ゲーム×エンタメの先駆けとして定着
このように、2007〜2012年頃のニコニコ動画は「単なる動画サイト」ではなく、
“ユーザー同士で盛り上げていく”ネット文化の中心地として、強い存在感を放っていました。
この時代に中高生・大学生だった層が、
“ニコニコ動画世代”として今も記憶に残っている理由は、
まさにこの全盛期の体験があるからなのです。
世代別に見るニコニコ動画との関わり方
ニコニコ動画は、
どの世代でも一度は耳にしたことがある存在かもしれません。
しかし、
実際にどれほど利用していたか・どんな関わり方をしていたかは、世代ごとに大きく異なります。
ここでは、
各世代がニコニコ動画とどんな距離感だったのかをまとめて紹介します。
団塊の世代(1947〜)|ほぼ無縁だが、まれに“観察者”も
2006年にニコニコ動画がスタートした時点で、
団塊世代はすでに50代後半〜60代。
ネットや動画サイトへの馴染みが少ないため、
基本的には関与度はほぼゼロに近いと考えられます。
ただし、
- 家族から見せられた
- ニュースやテレビ経由で一部知った
- 「ネットの若者文化」として興味本位で見ていた
というケースもあり、
「見たことはある」というレベルで接点があった人もごく一部には存在していました。
氷河期世代(1970〜1980年)|視聴中心の“ROM専”世代
ネット初期をリアルに経験したこの世代は、
ニコ動の存在を知っていても発信よりも“見る専門”が多かった印象。
- 2ちゃんねる文化にも親しんでいたため、コメント文化には抵抗がなかった
- ボカロやアニメよりも、「実況」「解説」「懐古ネタ」などへの関心が強い傾向
- 自ら投稿する人は少なめだったが、定期的に視聴していた人は一定数存在
ある意味で、ニコニコ文化を支えた静かな視聴者層ともいえる存在です。
ゆとり世代(1987〜1996年)|投稿も視聴も担った“主力層”
ボカロ・歌ってみた・タグ職人・弾幕…
これらをリアルタイムで体験した世代こそがニコニコ動画“全盛期”の中心ユーザー層です。
- 視聴にとどまらず、自ら投稿・参加する文化が根付いていた
- 動画編集や配信をきっかけに、クリエイターへの道を歩んだ人も多数
- SNSとの連携が薄かった分、ニコ動が“自己表現の中心”になっていた世代
今なお
「当時のランキング動画を見返す」
「マイリスに残した神曲を聴く」
など、記憶として強く残っている人が多いです。
Z世代(1997〜)|ニコニコを“再発見”する世代
Z世代にとってニコニコ動画は、
もはや主流ではない=過去の文化という位置づけが一般的です。
ただし、YouTubeやTikTokを通じて逆輸入された
ボカロ曲・実況動画から、「原点」としてニコ動にたどり着く人も増えています。
- 「ニコニコ大百科」で“ネットの歴史”を掘る
- 「昔のコメント文化、逆に新鮮」と感じる若者も
- 懐古系として見るだけでなく、改めて投稿や視聴を始めるケースも少なくない
つまりZ世代にとってニコ動は、
**“カルチャー資料”でありつつ、“まだ使える場所”**
でもあるという、独特の立ち位置になっています。
ニコニコ動画と“アニメ”の蜜月関係

ニコニコ動画におけるアニメの存在感は非常に大きく、
ボカロと並んで“ニコニコ文化”を支えた重要なジャンルです。
とくに2000年代後半〜2010年代初頭にかけては、
アニメの一部が公式に配信され、**コメントで一緒に盛り上がる“同時視聴体験”**が定着しました。
📺 ニコニコ全盛期に盛り上がったアニメ作品の例
- 『涼宮ハルヒの憂鬱』:名シーンに“弾幕コメント”が大量に流れる定番作品
- 『らき☆すた』:オープニングの「もってけ!セーラーふく」がMADの常連
- 『ひぐらしのなく頃に』:考察・ネタ系コメントで盛り上がる
- 『けいおん!』:バンド文化とリンクし、MADやニコカラにも波及
- 『とある魔術の禁書目録/科学の超電磁砲』:名曲&名セリフがタグ職人の餌食に
- 『まどか☆マギカ』:考察系コメントの集中砲火を浴びた代表作
ニコ動のアニメ視聴では、ただ“見る”だけでなく、
- 考察コメントで盛り上がる
- ツッコミで笑い合う
- 名シーンで一斉に弾幕が流れる
といったように、「みんなで見る」文化が強く根づいていました。

「“今週のニコニコ配信アニメ”ってチェックするのが週課だったよな〜」



「コメントでネタバレ食らったときはショックでしたけど…でも、それも含めてニコ動っぽいですね!」
ニコニコ動画と“ボカロ”&“カラオケ定番曲”の進化
ニコニコ動画の象徴的ジャンルのひとつが“ボカロ”ことボーカロイド。
中でも2007年に登場した「初音ミク」は、
ニコ動での拡散をきっかけに一気にブームとなり、
個人制作楽曲がランキング入りする時代が到来しました。
その流れで、「歌ってみた」「ニコカラ(カラオケ動画)」なども定番ジャンルに成長し、
ネット発の音楽文化として広がっていきます。
🎤 当時ニコ動を席巻したボカロ楽曲の一例
- 「メルト」/supercell
- 「ワールドイズマイン」/ryo
- 「千本桜」/黒うさP
- 「炉心融解」/iroha
- 「ロミオとシンデレラ」/doriko
- 「パンダヒーロー」「マトリョシカ」/ハチ(米津玄師)
🎤 “ニコカラ文化”と歌ってみたの広がり
「歌ってみた」は、ニコ動ユーザーがボカロ曲やアニメ曲をカバーして投稿するジャンル。
当時人気を集めた“歌い手”たちは、ライブイベントやCDリリースまで行うようになり、
一部はプロデビューを果たすほどの影響力を持つようになりました。
また、
- 「ニコカラ(=カラオケ動画)」として歌詞字幕を付けた動画
- ライブ配信アプリの先駆けとして歌ってみたを披露する文化
なども派生し、カラオケ店では「ニコ動曲を入れる→全力で歌う」ユーザーも多数存在。



「“メルト”のイントロ流れた瞬間、誰かが“キター!”って言うのがデフォだったわ」



「私は“千本桜”でニコ動知りました!今でもカラオケで歌うと盛り上がるやつ〜!」
“通じる人だけニヤッとする”ニコニコ動画用語まとめ
ニコニコ動画では、一般的なネット用語とはひと味違う、
独自のスラングや略語が数多く誕生しました。
それらは単なる言葉のやりとりではなく、
視聴者同士が“参加型で文化をつくる”ためのツールでもありました。
💬 主なニコニコ用語とその意味
用語 | 意味・背景 |
---|---|
うぽつ | 「アップロードお疲れさま」の略。 新作動画に対する最初の挨拶コメント。 |
うp主 | 動画のアップロード主。 ニコ動文化では定番ワード。 |
弾幕 | コメントが大量に流れて画面を覆う状態。 名場面や盛り上がる場面で発生。 |
コメ職人/弾幕職人 | コメントでAA(アスキーアート)や 演出を仕込む達人たち。 |
タグ荒らし | 関連性のないタグをつける迷惑行為。 タグ争奪戦になることも。 |
ニコニ広告 | お金を払って動画を“宣伝”できる機能。 熱狂的ファンが支援のために使うケースも。 |
えんちょつ | 「延長お疲れさま」の略。 生放送で時間延長された際に送るコメント。 |
お無料さん | 無料会員を指すスラング。 皮肉を込めた表現として使われることも。 |
こうした言葉に反応してしまったあなたは…
もしかして、“インターネット老人会”入りが近いのかもしれません。



「“うぽつ”って自然に言ってたけど、今の子には完全に呪文らしいぞ…」



「わかります!でもそれって“わかる人だけが笑える”感じが逆にカッコいいかもです」
あなたの“ニコ厨レベル”をチェック!ニコニコ動画クイズ診断
ニコニコ動画を語るうえで欠かせないのが、
「どれだけ文化を知ってるか?」という**“ニコ厨度”**。
「うぽつ」「弾幕」「例のアレ」……
当時をリアルタイムで過ごした人にとっては懐かしさ満点、
Z世代にとっては“ネット史の教科書”ともいえるニコ動文化。
そこで今回は、
全10問のクイズ形式であなたの“ニコニコ動画知識”を測定する診断を用意しました!
📝診断形式
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まとめ|ニコニコ動画“世代”から見える、あの頃のネット文化
ニコニコ動画は、単なる動画サイトという枠を超えて、
「コメントで参加する」「みんなで盛り上げる」ネット文化の象徴でした。
全盛期に投稿・視聴していた世代はもちろん、
今のZ世代が再発見して楽しんでいることからも、その文化的価値は今なお続いているといえます。
🔗 今回のまとめ
- 「ニコニコ動画世代」は主に2007〜2012年頃に中高生〜大学生だった層
- 文化の中心はボカロ/アニメ/コメント職人/タグ遊び/歌ってみた
- 世代ごとに関わり方は異なり、今はZ世代が“懐かし文化”として楽しむ時代へ
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